数時間前の2020年3月30の夕方、新型コロナウイルスに対するオーストラリアの景気刺激策が発表されました。
なんと、コロナウイルスの影響で一時解雇となった被雇用者に最低月3,000豪ドル(現在の悪いレートで約20万円)支給するとのことです。しかも、最大6カ月間も続くようです。
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JobKeeper Paymentの背景と目的
現在、オーストラリアでは、コロナウイルスによる不況で、約600万人の方が、解雇、もしくは一時解雇(stand down)という状態になっているようです。周りの友人や知り合いからも、解雇された、一時解雇になったという知らせが届いています。僕も、資金的にそこまで潤沢ではないスタートアップで働いているので、これはいい知らせです。ちなみに大手の会社でも、一時解雇が増えているようです。
それもそのはずで、政府の号令により、小売を中心にほとんどのビジネスがクローズ、レストランなどはテイクアウトのみ、必要不可欠な外出は禁止というロックダウン状態です。会合などは、最大二人までとなっています。
以下、オーストラリアの現状をまとめておきます。
2020年3月30時点でのオーストラリアで暮らす上での注意【行動制限】
- 生活に必要不可欠な買い物、通勤、通学、運動などをのぞき、自宅での待機を要請。
- 屋内に限らず、屋外でも集会・会合は最大二人まで。家族はそれ以上でもOK。
- ジム、パブ、クラブ、映画館、娯楽施設の閉鎖。
- レストランはテイクアウトのみ(実際、テイクアウトのみでは厳しく、クローズしているお店が多いです。)
- 公園の遊具(ブランコとか)は使用禁止。
- 高齢者は、自宅での自己隔離を強く要請。
- 海外渡航禁止(市民権保持者のみならず、永住者も含む)
- 海外からの帰国者は、政府指定のホテルで二週間隔離させる。少し前までは、自宅で自己隔離でしたが、違反者が多いので見張り付きのホテルになったようです。
- これらの規定に違反した個人には、1,000ドル、企業には5,000ドルの罰金。ちなみに、逮捕者もでたようです。
というように、政府の指示により、観光、ホテル、小売業を中心に多くのビジネスが営業を停止しています。その影響で、バイトは解雇、正社員でも解雇、もしくは一時解雇にせざるおえない会社が相次いでいます。元気なの会社は、ソフトウエアやオンラインラーニングの会社です。
よって、コロナウイルスが収束し、さあビジネスも営業を再開しようという時に、「労働力が足りない。。。」という危機を避けるため、この「JobKeeper Payment」という助成金を配布するようです。
JobKeeper Paymentの中身
詳しくは、こちらのオーストラリア政府からのメディアリリースをご覧ください。ポイントを、いかにまとめます。
- この補助金は、まず、雇用者(会社)に支払われる。
- 対象となる被雇用者(社員)は、2020年の3月1時点で、勤務しているもの。一時解雇(stand down)になった、もしくは今後なるフルタイム、パートタイムの被雇用者。カジュアル労働者は、一年以上勤務している場合のみ対象となる。
- フリーランスも対象。
- 対象となる被雇用者(社員)は、雇用者(会社)から二週間ごとに最低1,500ドルもらえる。
- この補助金のプログラムは、2020年3月30から開始する。最低1ヶ月間、最大6ヶ月間。
- 雇用者(会社)が、政府のサイトで登録する必要がある。
日本に比べ、かなり大胆な景気刺激策です。さすが、資金豊富だと言われるオーストラリアの対策だと感心してしまいました。
JobKeeper Paymentについて思うこと
この金額だと、通常もらっていた給料よりも、補助金の方が高いという方も結構でてくると思います。ちなみに、この1,500ドル(二週間あたり)は、オーストラリアの平均賃金の70%にあたるそうです。そして、宿泊施設、ホスピタリティー、小売業に産業を限定すれば、平均賃金とほぼ同額なようです。エンジニアの給料は、間違いなくこれより高いですが。
ということは、僕が会社のオーナーならば、一時解雇にはしたものの、どうせ政府から1,500ドル受け取り、社員に最低1,500支払う必要があるので、一時解雇やめて、やっぱ何か仕事してくれないかな?と言いたくなります。上記リンクの、メディアリリースにも「Every eligible employee must receive at least $1,500 per fortnight from this business」と記載されています。at leastが非常に気になります。何かしらの仕事がある産業はいいでしょうが、ホテル、小売などは、店舗をクローズしているはずなので、仕事をさせたいが、してもらう仕事はないとなるでしょう。この場合には、会社にとって、将来の労働力をキープするために、純粋に、この政府の補助金を使うことになると予想します。
明日3/31は、オーストラリアの会社、株式市場にとって慌ただしい1日となるでしょう。
読者のみなさんは、どうか国の規定はしっかり守り、手洗い、食事、睡眠とう、体調管理はに気をつけてお過ごしください!