海外移住

【経験者が語る】海外移住を実現させるポイントとは

移住先オーストラリアの夕日

私がオーストラリアに移住して5年が経ちました。暮らしていて、もはや海外に住んでいる感覚などないぐらいに慣れてきました。穏やかな気候、理想的なワークライフバランス、英語環境での生活と私の願っていたものが現実となりました。一方で、海外移住の相談を受けて、それでは失敗するだろう、、、と思うことがよくあります。多くの日本人に海外移住を実現して欲しいので、この記事を書くことにしました。

Contents

日本人の海外、海外移住への憧れ

日本には、海外、外国人の方をどこか特別な存在と見ている雰囲気があるように感じます。私の生まれた福岡県では、まだ確実にあります。日本は単一民族国家であるのでしょうがないと言えばその通りです。私自身も田舎で育ち、海外に出たことがなかった頃は、海外に対する強い憧れ、外国人に対する偏った見方がありました。

一方で、そういう日本にある外国、外国人、異文化への壁のようなものが早くなくなればと、切に願っています。どんどん人口の減っている日本には、それが必要です。

私ゴトですが、今年の年末に山口県の田舎に住む従兄弟の息子14歳が、一人で初海外を経験しにオーストラリアに来ます。田舎の少年が、初海外でオーストラリア に来て何を感じるのか、私の方が今からとても楽しみです。

 

オーストラリアのビーチオーストラリアのビーチ

 

海外移住を甘く見ている人が多すぎる現実

まず前提として、私は海外移住に関わるビジネスに関わっていませんので、私の本音で伝えたいことをかけます。そして、多くの日本人の方に海外を経験してほしいと思っています。

私の住むオーストラリアにも、ビジネスとして、留学エージェントや、アパートメント紹介エージェントが存在します。はたまた、無給インターンシップエージェントなどがあります。

そのエージェントに進められて、特に計画はないけど、オーストラリア にワーホリできました。ゆくゆくは永住したいので、どうすればいですか?などという相談を結構受けますが、そういう方にアドバイスできることは、ほぼありません。ですので、この記事を書きました。海外にくる前に、どれだけ準備できるかが大切だからです。

飛び込む行動力はたしかに大切です。しかし、移住となれば、そこには徹底した準備と計画が必要だということを覚えておいてください。

日本でブラック企業、社畜の人生を抜け出し、計画は特にないけど、とりあえずはワーホリで現地に飛び込めば道は開けるはずだ!と思っていても、99%道は拓けません。ワーホリ期間が終了し、一年後にはまた社畜人生が待っています。

念の為断っておくと、ワーホリを否定しているのではあります。簡単にビザが取れ、海外を経験できる素晴らしい制度だと思います。ただ、それと移住は全く別物ですよという話です。

 

海外移住実現の3つのポイント

日本で海外移住に必要な準備を進めているか

海外に出る前に、日本にいるうちから準備を進めていることが非常に大切です。

20代前半など若い学生さんであれば、とりあえず海外を見る為に、ワーホリで一年海外行ってみるか!とか、語学留学して、どんな国か見てみようというチョイスもありです。でも、これと移住を狙うことは全く違います。

パッと思いつくだけでも、移住したいのなら、下記事項を日本にいるうちから調査して、計画を立てておくことが大切です。

  • なんのビザで移住するのか。
  • そのビザで仕事ができるのか。ビザの有効期限はどれくらいあるのか。
  • そのビザから、どのように永住権に繋げるのか。
  • 一年無職になることを考慮して、いくらの資金が必要なのか。
  • 英語力は大丈夫か。
  • 自分の今の仕事のスキルが、移住したい国で通用するのか。
  • 自分のスキルが厳しそうなら、どの分野を狙うのか。

パッと思いつくだけでもこれだけあります。

これらを、海外に来た後に調べ準備するのと、日本にいるうちから時間に余裕を持って準備するのでは大違いです。

必要な条件というのは、国によって違います。日本にいるうちから、このあたりを調査して準備を進めておけば、国によりある程度の移住実現可能性が見えてくるでしょう。

日本人に人気の移住先として、移住しやすい国が、オランダ、タイ、フィリピン、マレーシアで、難しいのが、シンガポール、オーストラリア 、ニュージーランド、カナダあたりでしょう。

人気の難しい国ほど、準備に時間がかかります。

 

それなりの英語力があるのか

海外に移住するのならば、英語力は高いに越したことはないです。これは、仕事だけではなく、海外生活のプライベートを豊かにする上でも重要です。

仕事を探すにしても、英語力が高いほど、仕事の機会が増えます。日本企業だけでなく、海外企業へアプライすることもできるでしょう。

生活するにしても、英語力が高いほど、異文化の人々と友達になれ、移住生活を豊かにすることができるでしょう。

これが、英語力が低いとどうなるでしょうか。

働き口は、日本人をターゲットとした限定されたビジネス、もしくは限定的な英語力で十分なレストランなどのサービス業で仕事をすることになるでしょう。そういう仕事というのは、往往にして待遇が悪いものです。

プライベートでも、

  1. 英語ができない
  2. コミュニケーションを取ることが億劫になる
  3. 引きこもる
  4. 友達できない

という負のスパイラルに陥る可能性すらあります。これは、突然海外に移住する羽目にあった駐在員のパートナーの方にもよく生じる問題でもあります。

帰国子女でもない限り、英語力をあげるのには時間がかかります。日本にいるうちから、鍛えておいて損はないです。

ではどれくらいの英語力が必要なのか?

こればかりは表現することが難しいです。

私の場合、学生時代に留学する前にTOEIC900点、IELTS6.5は超えていました、その後1年間の交換留学、その後に移住して約5年が経ちます。現在は、オーストラリアの企業で日本人一人の環境で仕事をしていますが、いまだに英語力に不満がある今日この頃です。

学生時代は、iknowというサイトで、毎日一時間程度ひたすら語彙力強化して、その後、書籍とエクセルでTOEICなどの試験対策もしていました。

今は、私が学生の頃よりもさらに英語学習環境が充実していますので、アプリなどを上手く使えばエクセルで自分の間違えるポイントなどを管理する必要はないでしょう。

英語学習には続けるモチベーションが大切になってきますので、まずはTOEIC700から900点を目標として、語彙力、文法などの基礎を固めるのがおすすめです。

語学力をあげるのにも時間がかかります。すぐにでも始めましょう。

 

海外でも通用する専門的な仕事のスキルがあるか

移住するからには、移住先で仕事をしてお金を稼ぐ必要があります。現地でお金を稼ぎ生活することで、真の移住と呼べるではないでしょうか。

ではどうやって仕事を取るのかです。

フリーランスでやるにしても、私のように海外の現地の企業で働くにしてもスキルが必要です。自分の移住したい国でも通用するスキルを日本にいるうちから磨いていると、移住した後に仕事を獲得するのがかなり楽になります

私は、オーストラリアに来たばかりの頃には、日系企業で働きました。それは、私の日本で得た海運会社でのスキルが通用するのが、日系の総合商社だったからです。詳細は、下記の記事をどうぞ。

【海外での就職活動】オーストラリアで現地採用

これは、オーストラリアでは私の船会社の経験を活かせるポジションが日系企業以外、少なかったということです。

もしこの時に、私が日本でWEBエンジニアとして Javascript の経験を3年積んでいたとしたら、オーストラリアの企業も含め多くの就職機会があったと思います。

日本で職業経験がある方は、早いうちに人材紹介会社に複数登録して自分のスキルが移住したい国で通用しそうなのか探ってみるといいでしょう。

もしくは休暇を利用して、移住を狙う国にいき、実際に現地リクルーターにあってみるも一つの手です。私は移住する前に、両方とも実行しました。

自分の今のスキルが通用しないのなら、日本で転職する、社内で部署移動をお願いするなど、取れる手段はいくらでもあります。

スキルを積み上げるのにも時間がかかりますので、すぐに行動するべきです。

 

海外移住を失敗へと導く3つの要因

言ってしまえば、上記で述べたポイントを全く考えずに、ただ海外に来てしまったパターンです。

計画もプランもなしに、行動力が大事だ。現地に行きさえすればなんとなる!と思っているパターンです。まあ、なんとかならないです。

ワーホリや語学留学で、その期間を楽しむ、もしくは学ぶだけならば、 もちろんそれでいいでしょう。でも、移住を狙うのなら、準備なしでくれば、厳しい現実が待っています。

永住への計画がない

どのビザできて、いつまでそのビザが有効で、そのあとはこのビザに切り替えて、永住を狙おう。だいたい3年はかかるかなー。

もしくは、

俺のエンジニアのスキルならば全世界で通用するので、引っ越し費用ビザも含め会社にサポートしてもらうか。そして、何年後には永住権取得だな。

もしくは、

今の会社で駐在のチャンスを獲得し、駐在しながら、現地での実務経験を積み、語学力を伸ばし、コネクションを広げ、駐在終了時に転職してやる。

というような、何かしらのプランがあって然るべきです。

こういうプランが何もないのに、すでに海外に来てしまって、そこから移住の道を模索する感じですと、正直、危機感が足りないと思います。国によっては、それでも移住可能な国はありますが、日本人の方の移住したい人気のある国ですと、厳しいでしょう。

 

海外で通用する専門的なスキルがないので仕事が見つからない

まず、スキルを身につけるのには、それなりの時間がかかります。スキルなしで来てしまうと、スキルを身につけている間にビザの期限が切れる、資金が底を突く。そして、海外でスキルを身につけること自体がまず難しいと、気付くでしょう。

時間がかかることなので、日本にいるうちから取り組んでおくべきです。

 

英語力が低すぎる

英語力がないと、仕事を見つけるのも、移住生活を充実させることも難しくなります。

仕事に関して言えば、英語力がなければ、日本人オーナーの日本人向けサービスの会社ぐらいしか働くとこがないかもしれません。例えば、日本食レストランとか、日系の食品卸売業の会社とか、引っ越しの会社とかです。

せっかく海外に来たのに、数の少ない日系の会社しか選択肢がないというのは、結構寂しいなと、私は感じました。

また、生活を充実させるという意味でも英語力は高いに越したことはありません。海外にくれば、多くの人にとって交際する範囲が少なくなるはずです。

【現地シドニーより】なぜオーストラリアのシドニーは住みやすいのかを考える

の記事でも書いたように、いい意味で知り合いの輪、つまり交際範囲が小さくなります。

でも、これは一つ間違えれば、孤独に陥るかもしれません。

海外に来た頃の、最初の半年ぐらいは、みなさんモチベーションが高いわけです。

外国人と友達になっている俺、かっこいー。

ちょっとオーストラリア人と写真とって日本の友達に送ってやるかな。

という感じで、積極的に外出して人と交流するわけです。私も含め。

 

しかし、半年をすぎクールな外国人にも慣れてくると、

会話あまり通じないし、何言っているのかも理解できないから、面倒だわ。今日は行かないでおこうっと。会っても、俺の英語力ではどうせ深い話できないし。

となり、英語力がないあまりに、英語でのコミュニケーションが億劫になり、日本人とのみ付き合う。そして、英語力はいつまでたっても上達しないという負のスパイラルに陥るわけです。

これらを避けるためにも、英語力は磨いておきましょう。

 

海外移住にかかる費用とは

海外移住にかかる費用とは海外移住にかかる費用とは

海外移住をして以来、最もストレスを感じた期間が仕事がない時期でした。つまり収入が0の時期です。

収入もない、仕事もない、永住権もないこの期間のストレスを最小限にするためにも、移住の予算には余裕をもっておくべきでしょう。

当然、費用は国によって変わってきます。

私の経験したオーストラリアの場合の移住一年目の費用をざっくり紹介します。

私は、語学学校には通っていませんが、プログラミングのスクールに通いました。海外のプログラミングスクールは高いのです。

渡航費 15万円
ビザ申請費+関連費用 100万円
プログラミングスクール費用(3ヶ月) 100万円
生活費一年分(月20万円) 240万円
帰省費(日本へ) 15万円

トータルで、約500万円かかりました。

移住前の私の費用の見積もりでは、スクールなどは考慮していなかったので、費用は350万円という計算でしたが、相当甘かったです。このように計画していてもどんな出費があるかわかりませんので、余裕をもった費用の見積もりが大切です。

 

オーストラリアは、世界でもトップクラスに物価が高い国ですので、結構な額となりましたが、人によってはスクールと生活費はもっと抑えることができるでしょう。

 

まとめ

長々と厳しいようなことを書いてきましたが、海外移住したいと思っている人が、ぜひ移住を実現して欲しいので、海外移住のリアルを書きました。私が移住を経験して、また、移住した友人から話を聞いて大切だと思ったことをまとめました。

簡単とは言いませんが、しっかりと準備して進めれば、海外移住は憧れや夢というものではなく、達成可能なものです。

 

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Wata
30歳で営業職からエンジニアに転職した者のブログです。 大手海運業→総合商社→ソフトウエアエンジン。現在は、オーストラリアにてエンジニアとして働いています。 未経験からのエンジニアへの転職、フロントエンド周りの技術、エンジニアの仕事環境、趣味の旅行、JAL修行、オーストラリアの情報などを発信しています!

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