オーストラリアでは日本食ブームにつられるように、日本酒の人気もうなぎ上りです。数年前までは、獺祭プラス他の数種類の銘柄のみという感じでしたが、いまでは日本酒を専門としているお洒落な店も増えてきました。例えば、シドニーのニュータウンというところにあるAnte。
さて、友人と飲みに出かけるときには、よく日本食レストランに行きますが、きまって日本酒について質問されます。僕は、獺祭と同じ山口県出身なので、適当な説明をするわけにはいきません。ですので、今日は、オーストラリア人から聞かれる日本酒に関する質問について簡単にまとめておきます!
まずは精米歩合について理解すべし
獺祭を飲まれる方は、聞き覚えがあるかもしれませんが、精米歩合というのが、日本酒を分類するうえで、重要になってきます。
精米歩合とは、日本酒の原料となるお米をどれだけ磨く(削る)かという指標です。当然、削れば削るほど、お米の使用できる割合がへっていきますので、高級なものとなっていきます。例えば、獺祭も磨き二割三分(精米歩合23%)のほうが、三割九分(精米歩合39%)よりも高級品となっています。が、どちらの味が好きかは、好みによるでしょう。
日本酒を大まかに分類する
まずは、日本酒の種類から。細かくわけると複雑になるので、大まかに。
ざっくりと分類すると、
- 純米酒
- 吟醸酒
- 本醸造酒
の三種類となります。
純米酒とは?
純米酒とは、米、米麹、水のみから造られた日本酒です。一方で、吟醸酒と本醸造酒は、「醸造アルコール」を添加しています。
つまり純米~とよばれるときには、「醸造アルコール」を添加していないピュアなお酒というイメージでよいかと思います。
吟醸酒とは?
吟醸酒とは米、米麹、水プラス醸造アルコールで作られており、精米歩合は60%以下のものです(大吟醸酒は50%以下。)
さらに、吟醸酒は、「吟醸造り」という製法で造られています。吟醸造りとは、よく磨いたお米を、通常よりも低い温度で長時間発酵させる方法です。吟醸造りによって、フルーティで華やかな香りが生まれます。ですので、通常、吟醸酒は冷やすことで、その香りとフルーティ感を引き立たせて味わうことが推奨されています。
本醸造酒とは?
本醸造酒とは米、米麹、水プラス醸造アルコールで作られており、精米歩合は70%以下のものです。ちなにみ、添加できる醸造アルコールの量は、使用する米の重量10%までと規定があります。さらに、本醸造酒に添加されるアルコールは蒸留して造られた純粋なアルコールで、合成したものではありません。このあたり、韓国系のお酒と比較してみたいですね。
本醸造酒の味わいにおける最大の特徴は、すっきりとした辛口です。
日本酒に賞味期限はあるのか
まず、日本酒には賞味期限の表示義務はありません。が、だからといって、いつまでもおいしく飲めるかといえばそうではないようです。
日本酒の種類によって、推奨される賞味期間というのがあります。
- 本醸造酒・普通酒 ⇒ 製造年月から約1年間
- 吟醸酒・純米酒・生貯蔵酒 ⇒ 製造年月から約10カ月間
- 生酒(常温流通可能な商品) ⇒ 製造年月から約8カ月間
意外と短いですね。さらに、上記の賞味期間は、未開栓で、光が当たらず、涼しいところ(20度前後)で保管した場合の、製造月から数えた年月とのことです。これ、日本の普通の家庭だと、ワインクーラーとかない限り無理でしょう。
ということで、開封後はすぐに、未開封の状態でもなるべき早く飲むのが良いでしょう!
まとめ
日本酒の基礎の基礎をまとめてみました。飲みの場面で、友人に蘊蓄を語るには、これくらいで十分でしょう笑 しかし、日本酒というのも奥が深いものです。